3.ナンジャモンジャゴケ目
(ナンジャモンジャゴケ亜綱、ナンジャモンジャゴケ目、ナンジャモンジャゴケ科、ナンジャモンジャゴケ属Takakia、1種)

「概略」
 学術的にたいへん貴重な、というか興味深い仲間で、日本に1種があります。このコケが発見されたとき(1950年代)は、何の仲間の植物かをめぐって、世界的に注目されました。現在でもなおコケ植物の進化を考えるときに大切な仲間と考えられています。当初は、苔類のコマチゴケに近いものとされていましたが、近年、発見された胞子体の形態により、現在はクロゴケ目に近いものと考えられています。
 高山の、年中、冷涼なところで、水際の岩上などに生育しています。遠目には、ススキゴケの仲間がまばらに生育しているように見えますが、より緑色が淡く、また、柔らかい感じのマットを作っています。

「特徴」(体のつくり)
 苔類のような柔らかい感じの植物体である点、茎から細い葉が出る点、また、茎に細長く伸びた鞭枝状のものが出ることがあるなどの点で、容易に区別できます。日本では、まだ朔は発見されていませんが、朔は直立した楕円状で、クロゴケ目と同じように、朔に縦方向の割れ目ができて、その割れ目から胞子がこぼれ出るようです。

「観察・同定のポイント」
@ナンジャモンジャゴケ(Takakia lepidozioides)
 肉眼で、茎からでる細い葉や鞭枝状のものをみることができます。
 ルーペでは、葉がとげ状で、その先端に鋸歯などが無い点を確認して下さい。